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「リスキリング助成金、もう終わるらしい」という話を見て焦った人へ。結論から言うと、この制度は廃止されていない。終わったのは事業者向けの公募であって、個人が受けられる支援そのものではない。
ただし、この制度は誰でも使えるわけではない。対象者の条件がかなり厳しく、しかも「最大70%」という数字は2つの条件をクリアして初めて届く。本記事は、経済産業省の公式サイトに書いてあることだけを使って、対象者・補助額・落とし穴を整理する。
結論:この制度は廃止されていない。ただし”入口”は狭くなっている
正式名称は「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(経済産業省)。まず、混同されやすい2つを分けて理解してほしい。
- 個人への支援は続いている。公式は、個人への支援(キャリア相談・リスキリング提供・転職支援)の終期を令和8年度末としている(四次公募のときに令和6年度末から延長された)。
- 終わったのは「事業者向けの公募」。公式のお知らせによれば、六次公募は令和7年9月16日(正午)で終了し、七次公募の実施は「未定」とされている。
つまり「制度が廃止される」ではなく「新しく参入する事業者はいない前提で、すでに採択された事業者の中から選ぶ」という状態だ。「今のうちに」「今年で終わり」といった煽り方をしている情報は、この2つを混同している。
※制度の状況は変わりうる。申し込む前に必ず経済産業省の公式サイトで最新の記載を確認してほしい。
誰が対象か(ここで大半の人がふるい落とされる)
公式FAQの記載はこうだ。
サービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方が対象となります。
ここから読み取れる条件を、当てはまらない例と一緒に並べる。
| 条件 | 当てはまらない例 |
|---|---|
| 登録時・初回面談時に在職している | すでに退職して求職中の人 |
| 雇用主の変更を伴う転職を目指している | 社内異動・出向を考えている人 |
| 同上 | 副業のためにスキルを身につけたい人 |
| 同上 | フリーランスとして独立したい人 |
🚨ここが最大の注意点で、この制度は「副業のため」には使えない。「リスキリング助成金で副業スクールが安くなる」という説明を見かけたら、それは制度の対象者要件と食い違っている。副業目的なら、厚生労働省の教育訓練給付金など別の制度を当たったほうが早い。
いくら安くなるのか(最大56万円の内訳)
公式が示している金額はこの2段構えだ。いずれも受講費用の「税別」が基準になる。
| タイミング | 補助される額 | 上限 |
|---|---|---|
| ①リスキリング講座を修了したとき | 受講費用(税別)の1/2 | 40万円 |
| ②講座受講を経て転職し、1年間継続して就業していることが確認できたとき | ①に加えて受講費用(税別)の1/5 | 16万円 |
| 合計 | 最大56万円 | |
そして、ここを勘違いしている記事が非常に多いのだが——この補助金は、あなたに振り込まれるのではない。公式の説明はこうだ。
本補助事業の直接的な補助対象は個人の方ではありません。(中略)補助事業者には以下の金額が補助され、受講者はそれ以上の負担が軽減された価格で講座を受講することが可能です。
お金を受け取るのは講座を提供する事業者(補助事業者)で、受講者はその分だけ安い価格で受講できるという仕組みになっている。だから「あとから自分の口座にお金が戻ってくる」という説明は、厳密には制度の仕組みと違う。実際の値引き方はスクールごとに違う——公式FAQも「各補助事業者によって受講金額や負担軽減の金額は異なります」と明記している。
いちばん誤解されている「追加20%」の2条件
「最大70%」の内訳は、50%(1/2)+20%(1/5)だ。この後半の20%が曲者で、次の2つを両方満たさないと出ない。
- 転職した後、1年間継続して転職先で就業していること
- その転職が、公式の定義する「転職」であること
2つめが特に見落とされやすい。公式は「転職」をこう限定している。
本事業における「転職」とは、①補助事業で実施された職業紹介による転職、又は②転職支援を実施する職業紹介事業者が自社で雇用する転職により、新たな雇用契約を締結したことを指します。
🚨つまり、自分で見つけてきた転職は追加20%の対象外になる。受講したスクール(補助事業者)の職業紹介を通して決まった転職でなければならない。
ここを読み違えると予算が崩れる。「70%引きで受けられる」を前提に申し込むのではなく、「まず50%。残り20%は条件次第」と考えておくのが安全だ。しかも1年後の確認なので、受講中に手元が楽になるお金ではない。
使い方(4ステップ)
公式が示している流れはシンプルだ。
- 補助事業者を探す……公式の補助事業者検索ページで、希望の職種・スキルから講座を提供している事業者を探す。
- キャリア相談……キャリアコンサルタント等の専門家と、キャリアの棚卸し・ゴール設定・講座の検討を行う。ここは無料。
- リスキリング講座を受講……相談の結果を踏まえて講座を受ける。負担が軽くなるのはこの部分。
- 転職支援+フォローアップ……転職に向けた伴走支援や職業紹介を受ける。ここも無料。転職後1年間の継続就業の確認まで含まれる。
この①〜④は同じ事業者のもとで一体で受ける設計になっている。「講座だけ他社で受けて、転職支援だけ使う」ということはできない。
よくある誤解を3つ潰す
誤解①「もう廃止された/今年で終わり」
終わったのは事業者向けの公募であって、個人への支援ではない。公募の終了と制度の廃止は別の話だ。ネット上で見かける「もう終わる」系の表現は、ほぼこの混同から来ている。
誤解②「行政が認定したスクールの一覧がある」
この制度には、行政が特定の講座やスクールを”認定する”という枠組みがない。正しくは「本事業に採択された補助事業者が提供するリスキリング講座」で、採択されているのは講座ではなく事業者だ。だから「◯◯県が認定したスクール」「国の認定校」といった書かれ方をしている情報を見かけたら、それは制度の仕組みを正確に写していない。
誤解③「教育訓練給付金と同じもの」
別の制度だ。混ぜて理解すると条件を読み違える。
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 | 教育訓練給付金 | |
|---|---|---|
| 所管 | 経済産業省 | 厚生労働省 |
| 転職 | 転職を目指すことが前提 | 転職は要件ではない |
| 対象の講座 | 本事業に採択された補助事業者が提供する講座 | 厚生労働大臣の指定講座 |
| お金の流れ | 事業者に補助(受講料が安くなる) | 受講者本人に支給 |
どちらが得かは状況で変わるし、併用の可否は制度ごとに決まっている。ここは断定せず、申し込む前に窓口で確認してほしい。
実際に使えるスクールの探し方
まずは公式の補助事業者検索ページで調べるのが確実だ。前述のとおり、値引き幅も受講金額も事業者ごとに違うので、「この制度なら一律いくら」という調べ方はできない。気になる事業者を2〜3社ピックアップして、無料のキャリア相談で個別に確認するのが現実的な進め方になる。
当サイトで公式を実査したスクールのうち、この制度に対応しているのがDXアップだ。AI×Webマーケティングを3ヶ月・eラーニングで学ぶ講座で、公式によれば経産省の補助を使うと実質126,000円(税込)まで下がる。カリキュラム修了後に条件を満たせば、最大6ヶ月のクライアントワークに参加できるのが特徴で、「実務経験あり」と言える状態を作りやすい。
⚠️ただしこの補助は転職を目指す在職者が対象で、公式にも「転職の意思が全くない方は対象外」と明記されている。副業目的で検討している人は、この制度ではなく別のルートを探したほうがいい。金額や条件は変わることがあるので、最終的には無料カウンセリングで直接確認してほしい。
まとめ
この記事で伝えたかったのは「終わるから急げ」ではなく、「対象者がかなり限られるので、まず自分が当てはまるかを確認しよう」ということだ。整理すると——
- 制度は廃止されていない。終わったのは事業者向けの公募
- 在職中で、雇用主を変える転職を目指している人が対象。副業目的では使えない
- まず1/2(上限40万円)。追加の1/5(上限16万円)は1年継続就業+事業者の職業紹介による転職が条件
- 補助されるのは事業者で、受講者は「安く受けられる」形。金額は事業者ごとに違う
自分が対象に当てはまりそうなら、まず公式サイトで事業者を探すか、DXアップの無料カウンセリングで「自分の状況でこの制度が使えるか」を聞いてみるところから始めるといい。

