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消防団員は副業していい?副業扱いになる?地方公務員法4条の答えと「本業の規定・団員報酬の税金」2026

キャリア・横断
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「消防団員って副業扱いになるの?」「消防団員だけど副業していいの?」——この2つは同じ条文で答えが出ます。非常勤の消防団員は特別職の地方公務員で、地方公務員法の副業制限(38条)がそもそも適用されません。この記事では、地方公務員法3条・4条と消防組織法を根拠に、消防団員と副業の関係、本業の会社との関係、団員報酬の税金を整理します。常勤の消防士(消防吏員)の副業は別の話なので、消防士・救急救命士の副業完全ガイドに分けてあります。


結論:消防団員に地方公務員法の副業制限はかからない

  • 地方公務員法3条3項5号は「非常勤の消防団員及び水防団員の職」を特別職と定めています。
  • 同4条2項は「この法律の規定は、法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には適用しない」としています。
  • したがって、副業の許可制(38条)も、信用失墜・守秘・職務専念(33〜35条)も、地方公務員法としては消防団員にかかりません。消防団員の任用・報酬・服務は、消防組織法23条により市町村の条例で定められます。

つまり「消防団員が本業のほかに稼ぐこと」も「会社員が消防団員として報酬を受けること」も、地方公務員法の側からは止められていません。残る線は3つ——本業の勤め先のルール市町村の条例・消防団の規程報酬の税金です。


条文で確認する|消防団員の身分はどこで決まっているか

条文 内容 副業との関係
地方公務員法3条3項5号 非常勤の消防団員・水防団員の職は特別職 一般職向けの規律(38条など)の対象外
同4条2項 地方公務員法は、法律に特別の定めがある場合を除き、特別職には適用しない 副業の許可制がかからない根拠
消防組織法23条 非常勤の消防団員(の任用・給与・服務等)については条例で定める 守るべきルールは市町村の条例・消防団規程
同24条 非常勤消防団員の公務災害補償(市町村が条例で補償) 出動中のけが・病気は補償の対象
同25条 非常勤消防団員の退職報償金 一定年数以上勤めて退団すると支給

常勤の消防士(消防吏員)は一般職なので、こちらは38条の許可制がフルにかかります。同じ「消防」でも、団員と吏員で条文が違う——これが混乱の元です。


線①:本業の勤め先のルール|「消防団員であること」と「別の副業」を分ける

消防団員としての活動は、多くの会社で「副業」扱いにならない

消防団員は特別職の地方公務員であり、活動は地域の公務です。多くの会社は就業規則の「兼業」の枠ではなく、地域貢献・公務として扱います。国・自治体は消防団協力事業所表示制度(従業員が消防団に入りやすい体制を整えた事業所を認定・表示する仕組み)を設けており、会社側に協力を促す構造になっています。ただし、届出を求める会社はあるので、就業規則の兼業条項を確認し、人事に伝えておくのが安全です。

消防団員とは別の副業は、普通の副業

ライティング・デザイン・物販など、消防団とは別の副業をするなら、それは普通の副業です。会社の副業規定がそのままかかります。消防団員であることは、別の副業の許可・届出を免除しません。

本業が公務員・消防士の場合

本業が一般職の公務員(市役所職員、教員、常勤の消防士など)で消防団員を兼ねる場合、本業側の兼業のルール(地公法38条・任命権者の許可)が残ります。消防団員側に制限がなくても、本業側の手続きは必要です。実務上は自治体が消防団への参加を認めているケースが多いので、任命権者に確認してください。


線②:市町村の条例・消防団の規程|団員としての服務

地方公務員法の規律は外れますが、消防団員には条例と消防団規程に基づく服務があります。一般的に次のような事項が定められています。

  • 出動・訓練への参加義務と、やむを得ない場合の届出
  • 団の信用を損なう行為の禁止(団員の身分を使った営業・勧誘など)
  • 活動で知った個人情報(被災者・要配慮者の情報など)の取扱い
  • 制服・装備の私的利用の禁止

副業との関係で言えば、「消防団員」の肩書を副業の営業に使う災害対応で知った情報を発信する出動に応じられない働き方を常態化する——この3つが条例・規程に触れる典型です。地方公務員法の処分(29条)はかかりませんが、条例に基づく処分や退団はあり得ます。


活動の実態と時間の目安

消防団の活動は、火災・風水害などの災害出動に加えて、定期の訓練、機械器具の点検、年末警戒、地域の防火指導などがあります。頻度は団や地域で差が大きく、月に数回の訓練・点検に加え、災害時は予告なく呼び出されます。副業を設計するときは「毎月これだけは確実に取られる」時間(訓練・点検)と、「いつ来るか分からない」時間(出動)の2種類があることを前提に、納期や勤務シフトを組むのが現実的です。


線③:報酬の税金|団員報酬は「もう1か所の給与」

消防団員には、市町村の条例に基づき年額報酬出動報酬が支払われます。消防庁が示す標準額の考え方では、年額報酬は団員で年36,500円、出動報酬は災害出動1日あたり8,000円が目安とされ、実際の額は市町村の条例で決まります。これらは給与として源泉徴収されるのが一般的で、本業の給与と合わせて「2か所給与」になります。

  • 確定申告が必要になる線:給与を2か所以上から受けていて、年末調整されない側の給与収入と、給与以外の所得の合計が年20万円を超える場合
  • 20万円以下:所得税の確定申告は不要でもよいが、住民税の申告は別途必要
  • 別の副業がある場合:団員報酬と副業所得を合算して判定する

団員報酬だけなら20万円以下で収まることが多いですが、別の副業の所得が乗ると合計で超えることがよくあります。副業の所得は、勤め先の年末調整では処理されません。どちらの申告でも、1年分の収入と経費を自分で集計することになります。帳簿づけと申告書の作成をまとめて行いたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


消防団員と相性のいい副業の型

制限がない分、消防団員の副業選びは「出動と衝突しないか」「本業の規定に触れないか」で決まります。

出動との相性 備考
ストック型 ブログ・電子書籍・動画のストック ◎ 止めても収入が止まりにくい 防災・地域の知識は題材になるが、災害対応で知った個別の情報は書かない
単発・予約型 講師、執筆、資格を生かした指導 ○ 出動時は断ればよい 「消防団員」の肩書を売りにしない
受託・納期型 クラウドソーシングの案件 △ 納期中の出動で信用を落とすリスク 余裕のある納期の案件を選ぶ
シフト型 時給制のアルバイト △ 出動・訓練と重なると調整が要る 本業の副業規定に最も触れやすい

受託型を選ぶなら、納期に余裕がある案件に絞るのが団員向きです。案件の種類と相場はランサーズのようなプラットフォームに登録して眺めるだけでもつかめます(登録自体に費用はかかりません)。[PR]


ケース別|「消防団×本業×副業」の組み合わせで線がどう変わるか

本業 消防団員としての活動 別の副業(執筆・物販など) 税金の見方
会社員(副業届出制) 公務扱いが多い。念のため届出 会社の副業規定どおりに届出 団員報酬=給与(2か所目)。副業所得と合算して20万円判定
会社員(副業禁止) 公務として認める会社が多い。就業規則と人事に確認 会社のルールが優先。禁止なら不可 団員報酬だけなら20万円以下に収まることが多いが住民税の申告は必要
自営業・フリーランス 制限なし。出動と仕事の調整だけ そもそも副業の概念がない 団員報酬は給与、本業は事業所得。両方を確定申告で合算
一般職の公務員(市役所・教員など) 本業側の兼業ルール(地公法38条)で任命権者の許可が要る場合がある 本業側の許可制がフルにかかる 団員報酬は給与(2か所目)
学生・主婦(本業の雇用なし) 制限なし 制限なし(扶養の範囲は別途確認) 団員報酬+副業所得で所得税・住民税の申告ラインを見る。扶養内なら合計額に注意

表で分かるとおり、消防団員の側に制限はなく、線はすべて本業側と税金側にあるというのが全ケース共通の構造です。


消防団員になる人・なっている人への補足

  • 公務災害補償(消防組織法24条):出動・訓練中のけが・病気は市町村が補償する。副業中のけがは対象外なので、副業側の保険は別に考える
  • 退職報償金(同25条):一定年数以上勤めて退団すると支給される。副業の有無とは無関係
  • 会社への伝え方:「消防団協力事業所表示制度」があること、出動は予告なく来ることを伝えておくと、急な早退・欠勤の理解を得やすい

同じ「非常勤で本業を持つ公務」として、予備自衛官は副業していい?も構造が似ています。自衛隊法75条で62・63条が予備自衛官に適用されないのと同じく、消防団員は地方公務員法4条2項で38条の外にいます。


よくある質問

Q1. 会社に消防団員であることを言わないといけない?

法律上の義務ではありませんが、出動・訓練で急な離席があり得るので、伝えておくほうが自分を守ります。就業規則に届出の定めがあれば従ってください。

Q2. 消防団員の報酬だけなら確定申告はいらない?

年末調整されない側の給与(団員報酬)と他の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要でもかまいませんが、住民税の申告は必要です。別の副業があれば合算して判定してください。

Q3. 消防団員が防災の講演で謝礼を受けるのは?

地方公務員法の許可制はかからないので、消防団としての制限は市町村の条例・団規程によります。本業が会社員なら会社の副業規定、本業が公務員なら任命権者の許可が別途要ります。講演では災害対応で知った個別の情報を使わないこと。

Q4. 常勤の消防士が消防団員を兼ねることは?

通常は想定されていません。常勤の消防士の副業は地公法38条の許可制で、消防士・救急救命士の副業完全ガイドの範囲です。

Q5. 消防団員であることを副業のプロフィールに書いていい?

肩書として書くこと自体は止められていませんが、「消防団員だから信頼できる」という営業に使うと、団の信用に関わる行為として条例・規程に触れる可能性があります。資格・経験は書き、団の名前を売りにしない、が基本線です。


まとめ|制限は地方公務員法ではなく「本業・条例・税金」にある

非常勤の消防団員は特別職で、地方公務員法の副業制限の外にいます。止めているものがあるとすれば、本業の勤め先の兼業ルール、市町村の条例・団規程に基づく服務、そして2か所給与+副業所得の申告の3つです。本業の就業規則を確認して人事に伝え、出動と衝突しにくい型を選び、団員報酬と副業所得を合算して申告ラインを毎年確認する——この3つで、地域を守りながら副業も進められます。


参考にしている主な一次情報:地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条・第4条・第38条/消防組織法(昭和22年法律第226号)第23条〜第25条(いずれもe-Gov法令検索)/消防庁「非常勤消防団員の報酬等の基準」/国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」。

※情報は執筆時点のもので、団員の報酬・服務は市町村の条例で異なります。実際に動く前に、所属の消防団・市町村の担当課にご確認ください。

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