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公務員の同人活動・イラスト・ハンドメイド販売は副業になる?無償公開と実費頒布は対象外の運用が多い、利益を目的に継続すれば38条の許可——肩書を出さず、職務のものを使わず、規模が出る前に相談 2026

キャリア・横断
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公務員の「創作活動」——同人誌・イラスト・音楽・小説・ハンドメイド——は、「趣味の延長だから副業ではない」と思われがちです。条文で見ると、頒布・販売で対価を受ければ地方公務員法38条の「報酬を得て事業に従事」か「自ら営利企業を営む」に当たり得る一方、「実費程度の頒布」「無償公開」「趣味の範囲」は対象外とする運用が多く、線は「利益が出る規模か」「継続して営んでいるか」で引かれます。この記事は、地方公務員法33条・34条・35条・38条を根拠に、公務員の創作活動を「許可の要否」「同人即売会・ネット販売・委託販売の違い」「名義・肩書」「著作権と職務」「税金」で整理します。教員の教材販売は教員が自作教材をnote・販売サイトで売るのは副業?、自衛官の物販は自衛官の物販・せどりへ。


結論:無償公開・実費頒布は対象外の運用が多い。利益を目的に継続して頒布・販売すれば許可の対象。肩書を出さず、職務の情報を使わず、利益が出る規模になる前に人事に相談

形 38条 見立て
SNS・投稿サイトに無償で公開 対象外(報酬なし) ◎ 33条・34条・35条は残る
同人即売会で印刷費程度の価格で頒布(赤字〜トントン) 「営利」でないとして対象外とする運用が多い ○ 自治体の運用を確認。規模が大きくなれば要相談
同人誌・グッズを継続的に販売し利益が出る 「報酬を得て事業に従事」または「自ら営利企業を営む」 △ 許可申請。執筆・制作の類型として通る余地あり
委託販売・通販サイトで常時販売 「自ら営利企業を営む」に近づく △ 許可申請。継続・規模が見られる
出版社・企業からの依頼で作品を納品(原稿料) 「報酬を得て事業に従事」 ○ 執筆・制作として許可の典型
投げ銭・支援サイト(ファンクラブ型) 報酬 △ 受け取れば対象
職務で作った資料・キャラクター・写真を頒布 職務著作・34条 ✕

線①:38条——「報酬」と「営利」の2つの入口

38条1項は「報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事」と「自ら営利企業を営む」を許可制にしています。創作活動では、

  • 頼まれて作って対価を受ける(原稿料・イラスト料・作曲料)=「報酬を得て事業に従事」。執筆・制作の類型で、許可が出やすい
  • 自分で作って自分で売る(同人誌・グッズ・ハンドメイド)=利益を目的に継続すれば「自ら営利企業を営む」。規模・継続性で判断

多くの自治体は、同人活動について「営利を目的としない頒布(実費程度)」は38条の対象としない運用を取っていますが、明文の基準がないことが多く、判断は人事に委ねられています。利益が出始めた時点、または年に複数回・常時販売の形になった時点で人事に相談するのが現実的です。


線②:形別の違い——即売会・ネット・委託

形 継続性・規模の見られ方 注意
同人即売会(年1〜2回) 単発・小規模と見られやすい 印刷費・参加費を引いて利益が出ているかを記録しておく
ネットの個人販売(常時) 継続的な販売=事業と見られやすい 売上・利益の規模で許可の要否
委託販売(書店・グッズ店) 継続的。委託先との契約が「取引」 同上
ハンドメイドのマーケット・通販 同上 材料費を引いて利益が出れば対象
依頼制作(スキルマーケット等) 報酬を得て事業に従事 許可の典型。発注者の利害関係に注意

仕分け表|自己診断の5項目

項目 対象外に近い 許可が要る側
価格の設定 印刷費・材料費・参加費の回収程度 利益を乗せている
年間の収支 赤字〜トントン 利益が継続して出る
頻度 年1〜2回の即売会 常時販売・委託・通販
形 趣味の頒布 依頼制作・企業案件・ファンクラブ型の継続課金
名義・内容 ペンネーム・職務と無関係 所属を出す・職務の情報や成果物を使う(これは許可以前に不可)

右の列に当たる項目が出てきたら、人事に相談して許可の要否を確認する時期です。自治体によっては「創作活動の届出」の様式を持っているので、まず聞いてください。


「趣味」のまま続けるための運用

  • 収支を毎回記録する:印刷費・参加費・材料費と売上。赤字〜トントンであることを示せる状態に
  • 通販は「在庫処分」の範囲に:常時販売・新作の通販前提は「継続」と見られやすい
  • 投げ銭・支援機能は切る:受け取れば報酬。プラットフォームの初期設定でオンになっていることがあるので確認
  • 年1回、規模を見直す:利益が出るようになったら許可の申請へ。申請すれば「執筆・制作」として通る余地があるので、隠すより出す

線③:肩書と名義——「公務員」を出さない

創作活動で所属・職名を出すことは、33条(信用失墜)の問題と、作品の内容が自治体の見解と受け取られる問題を生みます。ペンネーム・ハンドルネームで活動し、所属を書かない、が基本です。逆に「公務員が描いた」を売りにする形は、許可の条件で禁じられることが多い形です。

名義が匿名でも、38条の許可の要否は変わりません(報酬・営利の実態で判断)。匿名は「バレない」手段ではなく、信用と職務の分離の手段です。


線④:内容——34条と職務との関係

  • 職務で知った情報を題材にしない:窓口・福祉・税務・学校で知った個人の話は、創作に変えても34条の問題(特定できれば)
  • 職務で作ったものを使わない:業務で作った資料・キャラクター・写真・デザインは職務著作(著作権法15条)で自治体のもの。私的な頒布は不可
  • 勤務時間中に作らない:35条。昼休みの作業も勤務時間の扱いを確認
  • 内容が信用に関わる場合:成人向け・政治的・特定の団体を攻撃する内容は、匿名でも特定されれば33条の問題

許可を取るなら|創作版の申請書

  1. 活動の内容:「同人誌(二次創作/オリジナル)の制作と即売会・通販での頒布」「イラストの依頼制作」
  2. 頻度・規模:年○回の即売会、通販の常時販売の有無、年間の売上・利益の見込み
  3. 名義:ペンネーム。所属を出さない旨
  4. 時間:勤務時間外・休日。月○時間
  5. 職務との関係:職務の情報・成果物を使わない。発注者(依頼制作の場合)が自治体の利害関係者でない

申請書の基本は公務員の兼業許可申請の書き方へ。「同人活動は前例がない」と言われた場合、「執筆・制作」の類型として申請し、規模を示して判断を仰ぎます。


創作を「収入の柱」にするなら——依頼制作から

自分で売る形(同人・グッズ)は「自営」として許可が重くなりやすく、頼まれて作る形(依頼制作・原稿料)は「執筆・制作」として通りやすい。収入の柱にしたいなら、依頼制作で許可を取り、同人活動は実費程度の範囲で続ける、という分け方が現実的です。イラスト・デザイン・文章の依頼案件の相場はランサーズのようなクラウドソーシングで「イラスト 制作」「小説 執筆」などと検索すると把握できます(受注は許可の後に)。[PR]


税金|同人・ハンドメイドの所得

頒布・販売の売上から、印刷費・材料費・参加費・送料・委託手数料を引いた額が所得(雑所得・規模が大きければ事業所得)です。年20万円を超えれば所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告が必要。赤字なら申告の義務は生じませんが、経費の記録は残しておきます(「実費程度」の証明になる)。依頼制作の原稿料は10.21%の源泉徴収があり、確定申告で精算。帳簿と申告書を一か所で済ませたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


よくある質問

Q1. 同人誌を年1回、印刷費と同じくらいの価格で頒布している。許可は?

営利を目的としない頒布として対象外とする運用が多い形です。ただし明文の基準がない自治体が多いので、人事に「この規模は対象か」を聞いておくと安全です。収支の記録を残してください。

Q2. 二次創作は著作権の問題がある?

原作の権利者の許諾がない二次創作は、著作権法上の問題を含みます(権利者のガイドラインで認めている範囲を除く)。公務員としては、権利者とのトラブルが信用(33条)の問題になり得ます。ガイドラインのある範囲で活動してください。

Q3. ハンドメイド作品をマーケットアプリで売っている

材料費を引いて利益が出て、継続的に販売していれば「自ら営利企業を営む」に近づきます。規模を人事に示して判断を仰いでください。

Q4. 投げ銭をもらったら?

報酬です。受け取った時点で38条の対象になり得ます。受け取らない設定にするか、許可を取ってから。

Q5. 教員・警察官・自衛官も同じ?

教員は教特法17条(教育に関する創作なら)と38条、警察官は34条・33条の範囲が広く肩書の扱いが厳しい、自衛官は自衛隊法62条・63条の承認と59条・58条。基本の考え方は同じで、職業ごとの線はそれぞれの記事へ。

Q6. 退職後は自由?

38条は外れます。34条(職務の情報)と職務著作は退職後も残ります。


まとめ|「利益」と「継続」が線。肩書を出さず、職務のものを使わず、規模が出る前に相談

公務員の創作活動は、無償公開・実費程度の頒布なら38条の対象外とする運用が多く、利益を目的に継続して販売すれば「報酬を得て事業に従事」「自ら営利企業を営む」として許可の対象になります。依頼制作は執筆・制作の類型で通りやすく、自分で売る形は規模で判断。ペンネームで所属を出さず、職務の情報・成果物を使わず、勤務時間中に作らない。利益が出始めた時点で人事に相談する——これが創作を続けながら処分を避ける線です。公務員全体は公務員の副業ガイドをどうぞ。


参考にしている主な一次情報:地方公務員法(昭和25年法律第261号)第33条・第34条・第35条・第38条/著作権法(昭和45年法律第48号)第15条(職務著作)・第27条・第28条(いずれもe-Gov法令検索)/国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」「報酬・料金等の源泉徴収」。

※情報は執筆時点のもので、同人活動・創作の扱いは自治体ごとに異なります。実際に動く前に、所属の人事担当にご確認ください。

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