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現役消防士・救急救命士のSNS・YouTube、無収益でも守る線は?現場・救急の情報(34条・救急救命士法47条)・信用(33条)・当番中(35条)・本部の撮影規則、収益化は38条の許可——自己診断と処分の見立て 2026

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消防士・救急救命士のSNS・YouTube・ブログは、現場の写真・救急の話・訓練の様子という「発信したくなる素材」が手元にあるぶん、線を越えやすい職業です。地方公務員法34条(秘密・退職後も)・33条(信用失墜)・35条(職務専念)と、消防本部の情報管理・撮影の規則は無収益の発信にもかかり、収益化すれば38条の許可の話になります。この記事は、地方公務員法33条・34条・35条・38条を根拠に、消防職員の発信を「無収益でも守る線」「収益化の許可」「書ける・撮れる範囲」「救急の守秘」「家族・退職後」で整理します。副業全般は消防士・救急救命士の副業完全ガイド、処分は消防士の副業がバレたらどうなる?へ。


結論:無収益の発信は副業ではないが、34条・33条・35条・消防本部の規則は全部かかる。収益化は38条の許可。現場・救急・署の内部・同僚は出さない

発信の段階 38条(副業) 34条・33条・35条・本部規則
匿名で趣味・体力づくりの投稿(無収益) 対象外 かかる。消防職員と分かる要素+現場・署の情報は出さない
「現役消防士」と名乗って発信(無収益) 対象外 かかる。所属の特定・本部の見解と受け取られる問題が大きくなる
広告・投げ銭・案件で収益化 38条の許可(「自ら営利企業を営む」扱いの自治体も) 同上
災害現場・救急現場の写真・動画 — 34条・個人情報・本部規則。原則不可
退職後に「元消防士」として発信 対象外 34条は退職後も

線①:34条——消防・救急の「秘密」は広い

34条は職務上知り得た秘密を退職後も含めて漏らしてはならないと定めています。消防職員が職務上知る秘密は、火災・救急・救助の現場で知った個人の情報(傷病者の状態・住所・家族)、査察・立入検査で知った事業所の内部(設備の不備・違反)、警防計画・部隊の運用・装備の配置・署の内部、同僚の人事など。SNSで問題になる形は次のとおりです。

  • 「今日こんな救急があった」——場所・時間・傷病の内容で特定できれば、本人・家族が読む。匿名化しても同じ
  • 火災・救助現場の写真(建物・車両・住民が写る)
  • 査察で知った事業所の話
  • 署の内部・装備・訓練の詳細・当番の配置
  • 同僚・上司の話

救急の話は、傷病者・家族にとって最も重い個人情報です。「学びになる事例」として書きたくなる内容ほど、特定のリスクが高い。書けるのは、消防本部・総務省消防庁が公開している統計・予防情報・応急手当の一般的な知識と、一般化した経験(体力づくり・規律・防災の考え方)までです。「学びになるから」は、傷病者本人の同意の代わりにはなりません。


線②:33条——信用と「本部の見解」

「現役消防士」と名乗って発信すると、個人の意見が消防本部の見解と受け取られ、住民・議会からの問い合わせが本部に届きます。消防行政・装備・人員への批判、特定の応急手当法の推奨(本部の指導と異なる)、政治的な発信は、匿名でも特定されれば33条の問題。制服・防火衣姿での私的な投稿、署の車両・施設を背景にした投稿も同じです。所属を出さず、個人の見解であることを明示し、本部の運営に関わる内容は避ける、が線です。住民の信頼で成り立つ仕事である以上、発信の影響は本人の想定より大きくなります。


線③:35条と本部の規則——当番中の投稿・署内の撮影

  • 当番中(仮眠・待機を含む)の投稿:勤務時間中。35条の問題
  • 署内・車両内・訓練中の撮影:消防本部の情報管理・撮影の規則で制限されているのが通常。公式の広報が撮影・公開する範囲と、個人が撮る範囲は別
  • 公用の端末・資料の使用:情報管理規程の違反。署のWi-Fiから私物のスマホで投稿する形も、規則で制限されていることがある

線④:収益化——38条の許可

広告・投げ銭・企業案件で収益が出れば、38条の「報酬を得て事務に従事」または「自ら営利企業を営む」として許可の対象です。消防と無関係の内容(筋トレ・料理・趣味)で、所属を出さず、現場・署の情報を含まないなら許可の余地があり、消防・救急を題材にした発信の収益化は34条・33条の観点から許可が出にくい。許可前の収益化(広告オン)は無許可の副業です。申請書の書き方は公務員の兼業許可申請の書き方へ。


書ける・撮れる範囲|自己診断

内容 判断
体力づくり・トレーニングの一般的な方法 ○(「消防式」と銘打たない)
応急手当・防火の一般的な知識(公開情報に基づく) ○(本部の指導と異なる方法を推奨しない)
消防士の試験対策・働き方の一般論 ○(所属を出さない)
災害・救急現場の写真・動画・話 ✕
署内・車両・装備・訓練の詳細 ✕(公式が公開した範囲を除く)
査察で知った事業所の話 ✕
消防行政・装備への意見 △(個人の見解として一般的な範囲。所属を出さない)
制服・防火衣での私的な投稿 ✕

投稿前のチェック|5つの問い

  1. 写真・動画に、署・車両・装備・防火衣・訓練の様子・現場が写っていないか(背景・反射も)
  2. 文章に、現場の場所・時間・傷病の内容・事業所名が入っていないか
  3. 同僚・上司・住民・傷病者の顔や名前が出ていないか
  4. 「消防士」「救急救命士」であることを売りにしていないか
  5. 当番中・署内で投稿していないか

処分の見立て|SNSが原因の懲戒

形 根拠 見立て
現場・傷病者の写真や情報の投稿 34条・個人情報・救急救命士法47条 減給〜停職。拡散・報道で重く
署内・装備・訓練の詳細の投稿 34条・本部規則 戒告〜減給
制服・防火衣での私的な動画・政治的主張 33条 戒告〜減給
無許可で収益化 38条 減給または戒告が標準
当番中の投稿が常態化 35条 注意〜戒告

救急救命士の守秘——34条に加えて

救急救命士法には、救急救命士が正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない旨の守秘義務があり(47条。救急救命士でなくなった後も)、刑法134条の医師等の秘密漏示罪の対象にはなりませんが、資格法上の義務として処分・罰則の対象です。救急の現場の話は、34条と救急救命士法の両方で縛られています。


家族・退職後

  • 家族のSNS:配偶者・子どもが「夫は○○消防署」「今日は当番」と投稿すれば、所属の特定と動きの漏えい。家族にも共有する。官舎・署の写真も同じ
  • 退職後:38条は外れ、収益化は自由。34条(退職後も)と救急救命士法の守秘は続く。「元消防士が語る」発信は公開情報と一般化した経験の範囲で(消防士の退職後の副業)

発信を「収入」にするなら——消防と無関係な分野で

許可が出やすく、34条・33条の問題が起きにくいのは、消防と無関係な分野(体力づくり・趣味・地域・資格)の発信です。防災・応急手当の執筆(出版社・メディア)は、公開情報の範囲で許可の典型(執筆)として申請できます。案件の相場はランサーズのようなクラウドソーシングで「防災 記事」「応急手当 執筆」などと検索すると把握できます(受注は許可の後に)。[PR]


税金|収益化したら

広告収益・投げ銭・案件報酬は雑所得。機材・ソフト・通信費は経費(按分)。経費を引いた所得が年20万円を超えれば所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告が必要です。帳簿と申告書を一か所で済ませたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


よくある質問

Q1. 匿名で救急の体験談を書きたい

傷病者・家族が特定できる要素(場所・時期・傷病)があれば34条・救急救命士法の問題です。匿名化では守れません。応急手当の一般的な知識に置き換えてください。

Q2. 公式の広報イベント(出初式・訓練公開)の写真は?

公式が一般の撮影・公開を認めた範囲なら問題になりにくい形です。同僚の顔・装備の細部が写るものは避けてください。

Q3. 無収益の筋トレ動画で「現役消防士」と名乗りたい

38条の対象外ですが、33条(本部の見解と受け取られる)・本部の規則はかかります。所属を出さない形が安全で、名乗るなら本部の運用を確認してください。

Q4. 投稿が問題になったらどうなる?

34条・33条違反は29条の懲戒(戒告・減給・停職・免職)の対象。救急の情報の漏えいは傷病者対応を伴い重く、拡散すればさらに重くなります。

Q5. 退職した先輩が「元救命士」として救急の話をYouTubeで発信している

退職後も34条と救急救命士法47条は続くので、先輩の発信も公開情報と一般化した経験の範囲で行われているはずです。現職はそれに加えて38条の許可と本部の規則がかかります。

Q6. 消防団員は?

非常勤の消防団員は特別職で38条の適用はありませんが、団の規則・守秘義務はあります。本業の勤務先の規定も別にかかります(消防団員は副業していい?)。


まとめ|無収益でも34条・33条・35条・本部規則。収益化は許可。現場・救急・署・同僚は出さず、消防と無関係な分野で

消防士・救急救命士のSNS・発信は、収益化の前に地方公務員法34条(現場・救急・査察の情報は退職後も)、33条(信用・本部の見解)、35条(当番中)、本部の撮影・投稿の規則がかかり、救急救命士には資格法の守秘義務も重なります。収益化は38条の許可で、消防を題材にした発信は出にくい。現場・救急・署の内部・同僚を出さず、所属を出さず、消防と無関係な分野で発信する——これが現職消防職員の発信の線です。副業全体は消防士・救急救命士の副業完全ガイドをどうぞ。


参考にしている主な一次情報:地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条・第33条・第34条・第35条・第38条/救急救命士法(平成3年法律第36号)第47条(秘密を守る義務)(いずれもe-Gov法令検索)/国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」。

※情報は執筆時点のもので、SNS利用・撮影に関する規則、収益化の許可の運用は消防本部・自治体ごとに異なります。投稿・収益化の前に、所属の人事担当・情報管理担当にご確認ください。

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