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自衛官のYouTube・ブログは副業になる?無収益・収益化・事業化の3段階で変わる承認の線と、営内・装備・訓練を出さないルール2026

キャリア・横断
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「自衛官がYouTubeやブログで発信するのは副業になるのか」——答えは報酬が出るかどうかで変わります。報酬が出なければ自衛隊法62条・63条(兼業の承認制)の対象外、収益が出れば承認の対象。そして収益の有無にかかわらず、部隊・装備・任務・隊員に関する情報を出した時点で、秘密を守る義務(59条)と服務の規律に触れます。自衛官は他の公務員より「何を出してはいけないか」の線が厳しい職業です。この記事は、発信の3段階(無収益→収益化→事業化)ごとに自衛官の線を引きます。兼業全体の線引きは自衛官の副業はどこから規則違反?、承認の取り方は申請の通し方に分けてあります。


結論:発信は3段階で線が変わる。自衛官は「秘密」と「政治的行為」の線が他職より厳しい

段階 兼業の承認(自衛隊法62条・63条) 常にかかる規律
①無収益の発信(趣味・体力づくり・ライフスタイル) 対象外(報酬がない) 秘密を守る義務(59条)・政治的行為の制限(61条)・服務の規律(品位、職務専念)・防衛省のSNS利用に関する指針
②収益化(広告収入・投げ銭・アフィリエイト) 承認の対象(63条:報酬を受けて営利企業以外の事業を行う) 同上+承認の審査(利害関係なし・職務に支障なし)
③事業化(有料講座・商品販売・企業案件の常態化) 「自ら営利企業を営む」(62条)に近づく。最も厳しい 同上

他の公務員と同じ構造ですが、自衛官の発信では「駐屯地・部隊・装備・訓練・任務・隊員の顔」が映った時点で、収益の有無に関係なく問題になる——ここが決定的に違います。


段階①:無収益の発信——承認は要らないが、4つの規律はかかる

  • 秘密を守る義務(59条):職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。退職後も同様。部隊の所在・配置・装備の詳細・訓練の日程や内容・任務・人事・隊員の個人情報は、悪意がなくても「映り込み」「雑談」で出てしまう
  • 政治的行為の制限(61条):政党・政治的目的に関わる発信は制限される。匿名でも同じ
  • 服務の規律:品位を保つ義務、職務専念義務。勤務時間中・営内での撮影や投稿は違反。制服・階級章・装備を私的な発信の小道具に使うのも問題
  • 防衛省のSNS利用に関する指針:防衛省は隊員の私的なSNS利用について、情報保全・品位・部隊の安全の観点から注意事項を示している。所属の教育内容に従う

実務上いちばん多い事故は、背景への映り込みです。営内の風景、車両のナンバー、掲示物、同僚の顔、訓練の様子——本人は「筋トレ動画」のつもりでも、背景から部隊・所在・装備が特定されます。自衛官の発信は、営外・私服・私物・一人が原則です。


段階②:収益化——「報酬」が出た瞬間に承認の対象

広告収入、投げ銭、アフィリエイト、企業案件——どれも自衛隊法63条の「報酬を受けて営利企業以外の事業を行う」に当たり、防衛大臣(委任先)の承認が必要です。承認の基準は自衛隊法施行規則61条の「職務との特別な利害関係がなく、職務の遂行に支障がないこと」です。

承認が出やすい設計・出にくい設計

出やすい 出にくい
職務と無関係の趣味(料理、登山、資格の学習法、語学) 自衛隊・部隊・訓練・装備を題材にした内容
匿名で、自衛官であることを出さない 「現役自衛官」を前面に出して集客する
営外・休日・私物で制作 営内・勤務時間中の撮影、制服・装備の使用
収益の規模が小さく、営業活動を伴わない 企業案件・商品販売・会員制で事業性が高い
招集・勤務命令があれば止められる運用(施行規則61条3項) 配信の予定が勤務に優先する設計

承認の審査で最も重く見られるのは「自衛隊の信用」と「情報保全」です。自衛官であることを出さない設計が、承認の通りやすさと発信の安全性の両方を決めます。


「元自衛官」「現役自衛官」の肩書は使えるか

立場 肩書の使用 注意
現役(在職中) 承認の審査で不利。原則出さない 「現役自衛官の〜」は信用・情報保全の両面で止まりやすい。出すなら承認申請に明記して判断を仰ぐ
予備自衛官 兼業の制限はない(75条)が、招集中の秘密・服務は残る 訓練・招集の内容を出さない。「予備自衛官」の肩書で防衛の内部情報を語らない
退職後 「元自衛官」は使える 59条の秘密を守る義務は退職後も残る。経験は一般化して語り、部隊・装備・任務の詳細は出さない。退職後2年の再就職規制(65条の4)は発信とは別の話

「元自衛官」の発信が伸びやすいのは事実ですが、伸びる内容ほど59条に近づく(訓練の実態、装備の話、部隊の人間関係)ことを忘れないでください。一般化した体力づくり・生活の知恵・キャリアの話に限るのが線です。


承認申請に書くこと|発信ならではの記載項目

項目 書き方の例 何を確認させるか
媒体と内容 YouTubeチャンネル「○○」。登山とキャンプ料理を一般向けに発信。自衛隊・部隊・訓練・装備・隊員に関する内容は扱わない 職務と無関係か/情報保全
収益の形と見込み 広告収入のみ。月○円程度の見込み。企業案件・商品販売は行わない 事業性(62条の「営む」に当たらないか)
制作の時間と場所 休日・勤務時間外に営外で制作。営内・官品・制服は使用しない 職務専念・情報保全
名前・所属の扱い ハンドルネームで運営。自衛官であること・部隊名・階級は出さない 信用・情報保全
勤務命令への対応 招集・勤務命令があれば配信・制作を中止する(施行規則61条3項) 職務への支障

段階③:事業化——「営利企業を営む」に近づく

有料講座、商品販売、会員制コミュニティ、企業案件の常態化は、63条の「事業を行う」を超えて62条の「自ら営利企業を営む」に近づきます。承認は出にくく、在職中は段階②までに留め、退職後に事業化する設計が現実的です。退職後の自由度と残る規制は自衛官の退職後の副業・再就職規制にまとめています。


処分になる形|自衛官の発信で繰り返される5つ

  1. 営内・装備・訓練が映った:59条・情報保全。無収益でも最も重い型。報道に発展しやすい
  2. 無承認で収益化を続けていた:63条違反。住民税の額の差や、視聴者からの通報で発覚する
  3. 勤務時間中・営内で投稿した:職務専念義務。投稿時刻と位置情報から立証されやすい
  4. 政治的な発信をした:61条。匿名でも特定される
  5. 隊員・部隊への批判や内部の人間関係を発信した:品位・信用。同僚からの通報が多い

処分は自衛隊法46条の懲戒(免職・降任・停職・減給・戒告)です。情報保全に関わる型は、無承認の兼業より重く扱われます。


線の内側で発信するなら|自衛官向けの順番

  1. 無収益で始め、内容を「職務と無関係の趣味・生活」に限る。営外・私服・私物・一人で撮る。背景を毎回確認する
  2. 自衛官であることを出さない。匿名で運営し、プロフィールにも所属を書かない
  3. 収益化の前に承認を申請する。人事担当に内容・規模・時間・所属の扱いを伝える
  4. 事業化は在職中にしない。退職後の設計にする

発信と並行して執筆の実績を作りたいなら、クラウドソーシングに「体力づくり・アウトドア・防災のライター」の募集があります。相場と条件を眺めるだけなら承認も費用も要らないので、ランサーズのようなプラットフォームに登録しておくと、申請書の「内容・報酬」欄を具体的に書けます(受注した時点で承認の対象になるので、受けるのは手続き後に)。[PR]


税金|広告収入は「雑所得」、20万円ルールと住民税

広告収入・投げ銭・アフィリエイトは通常「雑所得」です。給与以外の所得(収入−経費)が年20万円を超えれば所得税の確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。機材・通信費は経費として按分できます。副業の所得は、勤め先の年末調整では処理されません。1年分の収入と経費を自分で集計することになります。帳簿づけと申告書の作成をまとめて行いたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


よくある質問

Q1. 筋トレ動画を営内のトレーニング室で撮るのは?

無収益でも、営内の撮影は職務専念・情報保全の問題です。背景に設備・掲示物・同僚が映れば59条に触れます。営外の施設か自宅で撮ってください。

Q2. 匿名なら収益化しても承認はいらない?

匿名でも報酬が出れば63条の対象です。匿名は「バレにくい」だけで、承認の要否には関係ありません。

Q3. 退職したら「元自衛官」として訓練の話を発信していい?

59条の秘密を守る義務は退職後も残ります。公開されている一般的な話(体力づくり、生活習慣、キャリア)に限り、部隊・装備・任務・訓練の詳細は出せません。

Q4. 予備自衛官になってからなら自由?

兼業の承認(62・63条)は予備自衛官に適用されません(75条)。ただし招集中の秘密・服務は残り、訓練・招集の内容は出せません。

Q5. 防衛省の広報に出演するのは?

職務として命じられたものは副業ではありません。外部の団体から報酬を受けて出演・執筆する場合は63条の承認の対象です。


まとめ|「自衛官であることを出さない」「営外・私服・私物・一人」が線

自衛官の発信は、無収益なら承認不要、収益化すれば承認の対象、事業化すれば最も厳しい——この3段階で線が変わります。そして段階に関係なく、部隊・装備・訓練・任務・隊員が映った時点で59条の問題になります。内容を職務と無関係の趣味・生活に限り、自衛官であることを出さず、営外・私服・私物・一人で撮り、収益化の前に承認を取る。この設計なら、自衛官でも発信は続けられます。全体像は自衛隊員の副業2026完全ガイドをどうぞ。


参考にしている主な一次情報:自衛隊法(昭和29年法律第165号)第46条・第59条・第61条〜第63条・第75条/自衛隊法施行規則(昭和29年総理府令第40号)第61条(いずれもe-Gov法令検索)/国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」。

※情報は執筆時点のもので、承認の運用とSNS利用の指針は所属によって異なります。実際に動く前に、所属の人事担当・情報保全の担当にご確認ください。

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