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現職警察官の執筆・講演は副業にできる?38条の許可が出る類型、でも書けるのは「公開情報と一般化した経験」まで、所属は出さない——34条の秘密の線と申請書の書き方 2026

キャリア・横断
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警察官の副業で、許可が出る可能性のあるほぼ唯一の類型が「執筆・講演」です。防犯・交通安全・サイバー犯罪の知識は需要があり、自治体の許可基準でも「執筆・講演」は通りやすい類型として挙げられています。ところが警察官の場合、何を書けるか・話せるかの線が、他の職業より格段に狭い。地方公務員法34条の秘密(捜査情報・個人情報・内部運用)に加え、警察独自の情報管理規程、そして「警察官」の肩書そのものが信用(33条)の問題を持ちます。この記事は、地方公務員法33条・34条・35条・38条を根拠に、現職警察官の執筆・講演の副業を「許可の取り方」「書ける線・書けない線」「肩書と匿名」「税金」で整理します。副業の可否全般は警察官の副業は禁止?どこまでOK?、退職後は警察官の退職後の副業へ。


結論:執筆・講演は38条の許可が出る可能性のある類型。ただし「捜査・事件・内部運用」は書けず、「現職警察官」の肩書は許可の条件で縛られる

書く・話す内容 34条(秘密) 33条(信用)・許可条件 見立て
一般向けの防犯・交通安全の解説(公開情報に基づく) ○ 肩書の扱いは許可条件次第 ◎ 最も通りやすい
サイバー犯罪・特殊詐欺の手口の一般的な解説 公開されている手口に限る 同上 ○
自分が関わった事件の話(匿名化) ✕ 特定できれば34条。特定できなくても内部運用に触れやすい 信用の問題 ✕
警察の内部の運用・体制・捜査手法 ✕ 非公開の運用は秘密 ✕ ✕
警察官の働き方・試験対策(一般論) ○(公開情報) 所属を出す形は許可条件で制限されることが多い ○ 匿名・一般化で
小説・フィクション 実在の事件・運用を元にすれば34条の問題 内容による △ 許可の判断は本部による

線①:許可——「執筆・講演」は通る類型だが、警察は審査が厳しい

地方公務員法38条の許可基準(職務に支障がない・公正を妨げない・信用を傷つけない・勤務時間外)は警察官も同じで、執筆・講演は多くの自治体の基準で許可類型に挙げられています。ただし都道府県警察は、情報管理と信用の観点から、内容の事前確認・所属の非公表・継続性の制限など、他の職員より条件を付ける運用が一般的です。申請書には次を書きます。

  1. 内容:「一般向けの防犯対策の解説記事(公開資料に基づく)」のように、捜査情報・内部運用に触れないことが分かる書き方
  2. 発注者:出版社・メディア名。自治体・警察の取引先・利害関係者でないこと
  3. 肩書の扱い:「現職警察官」「○○県警」の表記をするか。所属を出さない・匿名にする、と自分から書くと通りやすい
  4. 報酬・時間:1件あたりの原稿料・講演料、月の時間数。勤務時間外に在宅で
  5. 情報管理:「職務上知り得た情報は一切使用しない」「原稿は公開前に所属の確認を受ける」など

申請書の基本は公務員の兼業許可申請の書き方へ。警察は「申請しても出ない」と思われがちですが、内容と肩書を絞れば出る例はあります。無許可で書いて発覚するより、申請して断られるほうが処分の面でも軽い(警察官の副業はバレる?バレたらどうなる?)。


線②:34条——警察官の「秘密」はどこまでか

34条は「職務上知り得た秘密」を退職後も含めて漏らしてはならないと定めています。警察官が職務上知る秘密は広く、次のものは執筆・講演で使えません。

  • 捜査情報:事件の内容・被疑者・被害者・関係者の情報。「10年前の事件」「匿名化した」でも、特定できる要素(時期・場所・罪種・特徴)があれば同じ
  • 個人情報:職務で知った住民・相談者・交通違反者の情報
  • 内部運用:捜査手法・装備・配置・警備計画・通信・システム。公開されていない運用は秘密に当たり得る
  • 内部の人事・不祥事:「警察の内幕」的な内容は34条と33条の両方

書けるのは、警察庁・都道府県警が公開している統計・手口・防犯情報と、一般化した経験(「防犯の考え方」「地域との関わり方」)です。「元刑事が語る」形の書籍は退職後でも34条の範囲で書かれており、現職ならさらに慎重になります。


線③:肩書——「現職警察官」を売りにできるか

「現職警察官が教える防犯」は読者には魅力的ですが、警察側から見ると、

  • 個人の見解が警察の公式見解と受け取られる(信用・33条)
  • 所属が特定されれば、内部情報の漏えいの疑いと、本人・家族の安全の問題
  • 商業的な活動に警察の信用を使う形

という問題があり、所属を出さない・匿名またはペンネーム・「警察官として○年」程度の一般化した表記を許可の条件にする例が多い形です。発注者が「現職警察官」の肩書を求める案件は、許可の条件と衝突するので避けるか、発注者に条件を伝えて調整してください。


線④:勤務時間・情報機器——35条と情報管理規程

執筆は在宅で勤務時間外に行えば35条(職務専念義務)の問題はありません。ただし警察は情報機器の管理が厳しく、職場の端末・公用の資料・データを執筆に使うことは情報管理規程の違反です。自分の機器で、公開資料だけを使って書く、が前提です。


「書ける・書けない」の自己診断|原稿を出す前の5つの問い

問い 「はい」なら
この情報は警察庁・県警の公開資料で確認できるか 書ける。出典を添える
自分が職務で扱った事件・相談・人物が元になっているか 書けない。匿名化しても不可
警察の内部の運用・体制・手法で、公開されていないものに触れているか 書けない
所属(県警・署・部署)が特定できる書き方か 許可条件で不可のことが多い。一般化する
読者が「警察の公式見解」と受け取る書き方か 「個人の見解」と明示する。33条の問題を避ける

5つとも問題なければ、許可の範囲で出せる原稿です。迷う箇所は「削る」が基本です。1つでも引っかかれば、その部分を削るか、出す前に所属の確認を受けてください。


執筆・講演の案件の見つけ方と選び方

  1. 防犯・交通安全・サイバーの一般向け記事:メディア・保険会社・防犯機器メーカーの記事が中心。クラウドソーシングにも募集がある。ランサーズのようなサイトで「防犯 記事」「交通安全 執筆」などと検索すると、単価と肩書の要件(実名・現職の明記を求めるか)が分かる(受注は許可の後に)[PR]
  2. 発注者の利害関係を確認:防犯機器・警備・保険の会社は警察の取引先・許認可の相手方になり得る。申請書に発注者を書き、判断を仰ぐ
  3. 肩書の条件に合う案件だけ受ける:「現職警察官監修」を前面に出す案件は避ける
  4. 講演:自治体・学校・企業の防犯講話は、職務として行う場合(報酬なし・公務)と、副業として行う場合(報酬あり・許可)を分ける。所属の判断による

税金|原稿料・講演料は源泉徴収される

原稿料・講演料は所得税法204条の源泉徴収の対象で、10.21%が引かれて振り込まれます。経費を引いた所得が年20万円を超えれば所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告が必要。源泉徴収分は確定申告で精算され、還付になることもあります(講演料・原稿料の源泉徴収)。許可を取っていれば住民税で伝わっても問題ありません。帳簿と申告書を一か所で済ませたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


よくある質問

Q1. 無報酬で防犯ブログを書くのは許可が要る?

報酬がなければ38条の対象外です。ただし34条(秘密)・33条(信用)・情報管理規程は無報酬でも適用されます。所属を出さず、公開情報だけで書いてください。収益化(広告・投げ銭)した時点で許可の対象です。

Q2. ペンネームで小説を書いて出版したい

報酬(印税)があれば許可の対象です。実在の事件・内部運用を元にした内容は34条の問題。完全な創作で所属を出さなければ、許可の判断は本部によります。

Q3. 退職した先輩が「元刑事」として本を出している。現職でも同じことは?

退職後も34条は続くので、先輩の本も公開情報と一般化した経験の範囲で書かれているはずです。現職はそれに加えて38条の許可と、所属の条件がかかります。

Q4. 講演の依頼が所属経由で来た。これは副業?

所属が公務として派遣する形(報酬なし・職務)なら副業ではありません。個人に報酬が払われる形なら許可の対象です。どちらの扱いかは所属が決めます。

Q5. 家族が執筆して、自分は「取材協力」するのは?

報酬が自分に入らなければ38条の対象外ですが、自分が職務上知った秘密を家族に話して書かせれば34条の問題です。家族名義でも、中身が自分の職務情報なら同じです。

Q6. 警察学校の教官・術科の指導を外部でするのは?

武道・逮捕術などの指導を外部の道場・団体で報酬を得て行う形は38条の許可の対象です。警察の術科そのもの(非公開の技術・訓練内容)は34条の問題になり得るので、一般の武道の指導に限る形で申請します。


まとめ|許可は出る類型。書けるのは「公開情報と一般化した経験」、肩書は「出さない」が前提

警察官の執筆・講演は、38条の許可が出る可能性のある類型です。ただし34条の秘密(捜査・個人情報・内部運用)は他の職業より広く、書けるのは公開情報と一般化した経験まで。所属を出さない・公開前に確認を受ける・公開資料だけを自分の機器で使う——この条件を申請書に自分から書くと通りやすく、無許可で書くより処分の面でも軽い。警察官の副業全体は警察官の副業は禁止?どこまでOK?をどうぞ。


参考にしている主な一次情報:地方公務員法(昭和25年法律第261号)第33条・第34条・第35条・第38条/所得税法 第204条(いずれもe-Gov法令検索)/人事院「懲戒処分の指針について」(兼業・秘密漏えいの項)/国税庁「報酬・料金等の源泉徴収」「給与所得者で確定申告が必要な人」。

※情報は執筆時点のもので、許可の運用・肩書の条件・情報管理規程は都道府県警察ごとに異なります。実際に動く前に、所属の人事担当にご確認ください。

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