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教員が自作教材をnote・販売サイトで売るのは副業?無料は自由、有料は17条の承認か38条の許可、授業で作ったものと他人の著作物は売れない——著作権法15条・35条の線 2026

キャリア・横断
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教員が自作の教材・プリント・指導案を、noteやオンラインの教材販売サイトで売る——この形は「執筆」に似ていて、実は法律上の位置づけが違います。出版社から頼まれて原稿を書くのは「報酬を得て事業に従事する」(教特法17条の承認か地公法38条の許可)、自分で教材を作って自分で売るのは「自ら営利企業を営む」(38条)に近づくからです。無収益で公開する分には副業ではなく、有料販売にした時点で許可・承認の対象、規模が大きくなれば「自営」として許可が出にくくなる。この記事は、教特法17条・地公法38条・著作権法35条(学校での複製の特例)を根拠に、教員の教材販売・note・有料コンテンツの線を整理します。教員の副業全般は教員の副業はどこまでOK?、YouTube・ブログは教員のYouTube・ブログは副業になる?へ。


結論:無料公開は副業ではない。有料販売は17条の承認か38条の許可。授業で作った教材は「職務で作ったもの」として扱いが別

形 条文 見立て
自作教材を無料で公開(note無料記事・ブログ) 対象外(報酬なし) ◎ 学校の情報・生徒の情報を使わない範囲で
出版社・教育メディアから依頼を受けて教材を執筆(原稿料) 教特法17条「教育に関する事業に従事」 ○ 承認を取れば可。通りやすい類型
自作教材をnote・販売サイトで有料販売(小規模) 17条(教育に関する事業)または38条。自治体で扱いが分かれる △ 承認・許可を取ってから。「自ら営む」と見られる規模なら38条
教材販売を継続し、月額会員・定期収入にする 38条「自ら営利企業を営む」 △〜✕ 許可が出にくい
授業のために勤務時間中に作った教材を販売 職務著作・服務の問題 ✕ 学校の成果物の私的販売
教科書・他社教材の図版を含む教材を販売 著作権法(35条の特例は学校の授業に限る) ✕ 販売には権利者の許諾が要る

線①:「頼まれて書く」と「自分で売る」の違い

教育公務員特例法17条1項は「教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事する」ことを、任命権者が本務に支障がないと認める場合に認めています。出版社の教材を執筆する、教育メディアに記事を書く、研修の講師をする——これらは「他の事業に従事」で、17条の承認の対象です。

一方、自分で教材を作り、自分の名義で値段をつけて売り、売上が自分に帰属する形は、「他の事業に従事」ではなく自分が事業主です。地方公務員法38条の「自ら営利企業を営む」に近づき、自治体によっては17条ではなく38条の許可として扱います。小規模なうちは17条で承認する運用の教育委員会もあり、扱いは分かれます。先に教育委員会に「教材の有料販売は17条か38条か」を確認してください。


線②:無料公開は副業ではない——ただし「学校の情報」は別

報酬が発生しなければ、17条の「教育に関する事業」に当たるかの議論はあるものの、38条の対象ではありません。多くの教育委員会は無収益の発信を副業として扱いません。ただし、次の点は無料でも問題になります。

  • 生徒の作品・写真・答案を教材に含める:34条(秘密)・個人情報・肖像権
  • 勤務校の定期テスト・入試問題を公開する:学校の情報管理、入試の公正
  • 勤務時間中に作成・投稿する:35条(職務専念義務)
  • 教科書・問題集の図版・文章を含む教材を公開する:著作権法35条の特例は「学校の授業の過程での利用」に限られ、ネット公開・販売には及ばない

線③:授業で作った教材は「誰のものか」

勤務時間中に、学校の設備を使い、授業のために作った教材は、職務として作成したものです。著作権法15条の職務著作(法人等の発意に基づき、業務に従事する者が職務上作成し、法人等の名義で公表するもの)に当たれば学校(設置者)に著作権が帰属し、当たらない場合でも「職務の成果物を私的に販売する」ことは服務上の問題になります。

販売するなら、勤務時間外に、自分の機材で、授業とは別に作った教材に限るのが安全です。授業用に作ったものを「改変して売る」形は、元の成果物が職務で作られている以上、線が曖昧になります。申請書にも「勤務時間外に私的に作成したもの」と書けるようにしておきます。


線④:著作権——他人の著作物を含む教材は売れない

著作権法35条は、学校の教員が授業の過程で使うために他人の著作物を複製・公衆送信することを、一定の範囲で許諾なしに認めています。これは学校の授業に限った特例で、教材をネットで公開・販売する場面には適用されません。教科書の本文・問題集の問題・図版・写真・市販の教材の構成を含む教材を販売すれば、権利者の許諾がない限り著作権侵害です。自分で作問し、自分で図を描き、引用の要件(必要最小限・出所明示・主従関係)を満たす範囲でのみ他人の著作物を使う、が販売できる教材の条件です。


有料販売を始めるなら|順番

  1. 教育委員会に「17条か38条か」を確認。申請様式をもらう
  2. 教材を「勤務時間外・私的に作成・他人の著作物を含まない」形で作る。生徒の情報・学校の情報を含めない
  3. 申請書を書く:販売先(noteや教材販売サイト名)・内容(教科・対象・形式)・価格・見込み収入・作成時間(勤務時間外)・学校の情報を使わない旨・校長の副申
  4. 承認・許可を得てから販売開始。無料公開で反応を見るのは承認前でも可
  5. 帳簿をつける:売上・プラットフォーム手数料・制作に使った機材・ソフト代

申請書の書き方は教員の兼業承認申請の書き方へ。


仕分け表|教材の「作り方」と「売り方」で線を引く

いつ・何で作ったか 中身 売り方 結論
A 休日に自分のPCで 自作の問題・自作の図 無料公開 副業ではない。学校の情報を含めない
B 休日に自分のPCで 自作 単発で有料販売 承認・許可を取れば可
C 休日に自分のPCで 自作 月額会員・定期販売 「自営」として許可が出にくい
D 勤務時間中に学校のPCで授業用に 自作 有料販売 職務の成果物の私的販売。不可
E 休日に自分のPCで 教科書・問題集の図版を含む 有料販売 著作権侵害。不可(無料公開も同じ)
F 出版社の依頼で 自作 原稿料 17条の承認で可。最も通りやすい

「自営」に見られないための設計

  • 単発の教材を少数:定期収入化(月額会員・サブスク)は「事業を営む」の評価に近づく
  • 依頼型を混ぜる:教育メディア・出版社からの執筆依頼(17条の典型)を軸にし、自作販売は補助的に。案件の相場はランサーズのようなクラウドソーシングで「教材 作成」「教育 記事」などと検索すると把握できる(受注は承認の後に)[PR]
  • 所属を売りにしない:「○○市立△△中学校教諭」の肩書で販売する形は信用(33条)と学校の関与の問題。「現役中学校教員」程度の一般化した表現まで

自分で作って売る以外に、「監修する側」として資格や専門性を使う道もあります。みんなの記事監修は、専門家として登録して記事監修の依頼を受ける形のサービスで、登録時に本人確認と資格証の確認があります。自分で教材を作って販売する形と違い、在庫も集客も自分で抱えないので、「まず報酬を得る経験をしてみたい」段階には向いています。在職中の方は、報酬を受け取る以上、先に承認・許可の手続きを済ませてください。報酬や依頼の条件は変わることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。[PR]



税金|販売収入は雑所得。手数料は経費

noteや教材販売サイトの売上は、プラットフォームの手数料を引く前の額が収入、手数料・決済手数料・制作に使ったソフト・機材・書籍が経費で、差額が雑所得(規模が大きければ事業所得)です。年20万円を超えれば所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告が必要。プラットフォームからの振込明細を保存してください。帳簿と申告書を一か所で済ませたい場合は、弥生のクラウド確定申告ソフトのような会計ソフトを使う方法があります(料金・対応範囲は公式サイトでご確認ください)。[PR]


よくある質問

Q1. 無料で公開して「投げ銭」(サポート)をもらうのは?

受け取れば報酬です。受け取った時点で承認・許可の対象になります。投げ銭機能をオフにしておけば無料公開のままです。承認を取った後にオンにする、が順番です。

Q2. 承認を取る前に、無料で公開して反応を見るのは?

報酬がなければ対象外です。学校の情報・生徒の情報・他人の著作物を含まないことだけ守ってください。

Q3. 退職後なら自由?

退職後は17条・38条は外れます。ただし34条(学校の情報・生徒の情報)は退職後も続き、著作権の問題は身分に関係なく残ります。退職後の教材販売は教員の退職後の副業へ。

Q4. 私立学校の教員は?

教特法・地公法は適用されず、学校法人の就業規則によります。職務著作(15条)と著作権(35条の範囲)は同じ問題です。

Q5. 同僚と共同で作った教材を売るのは?

共同著作物で、販売には共同著作者全員の合意が必要です。さらに各自が承認・許可を取る必要があります。

Q6. 販売サイトのプロフィールに学校名を書いてもいい?

書かないのが安全です。学校名を出せば「学校が関与している」と受け取られ、信用(33条)と学校の管理の問題になります。「公立中学校・数学科・教職○年」程度の一般化した表現にとどめてください。


まとめ|「無料は自由、有料は承認・許可、自営規模は出にくい、授業で作ったものと他人の著作物は売れない」

教員の教材販売・noteは、無料公開なら副業ではなく、有料にした時点で教特法17条の承認か地公法38条の許可の対象(どちらで扱うかは教育委員会に確認)。定期収入化すれば「自ら営利企業を営む」として許可が出にくくなります。勤務時間中に授業のために作った教材(職務の成果物)と、他人の著作物を含む教材は、身分にかかわらず売れません。依頼型の執筆を軸に、自作販売は補助的に——が許可の通る設計です。全体像は教員の副業はどこまでOK?をどうぞ。


参考にしている主な一次情報:教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第17条/地方公務員法(昭和25年法律第261号)第33条・第34条・第35条・第38条/著作権法(昭和45年法律第48号)第15条・第32条・第35条(いずれもe-Gov法令検索)/国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」。

※情報は執筆時点のもので、教材販売を17条・38条のどちらで扱うかは教育委員会ごとに異なります。実際に動く前に、校長と教育委員会の担当にご確認ください。

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