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看護師免許を持つ養護教諭の副業|保健教育の監修は教特法17条、看護師として働くなら地公法38条。守秘義務は二重にかかる 2026

キャリア・横断
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養護教諭は、教育公務員特例法2条2項の「教員」に明記されているので、教特法17条の兼職承認が使えます。そのうえで養護教諭に特有の論点が「看護師免許を持っている場合、看護師として働けるのか」です。結論から言うと、免許があれば看護師として働くこと自体は可能ですが、それは17条の「教育に関する」事務ではないため、38条の許可として扱われるのが基本です。さらに保助看法42条の2の守秘義務が、養護教諭として知った健康情報にも重なってきます。この記事は、教特法2条・17条、地公法38条、保健師助産師看護師法5条・42条の2の条文を根拠に、養護教諭の副業の線を整理します。養護教諭・栄養教諭に共通する全体像は養護教諭・栄養教諭の副業はどこまで?、栄養教諭側は栄養教諭・学校栄養職員の副業、看護師一般の話は看護師の副業の規則へ。


結論:17条は使える。ただし「看護師として働く」は38条の話になる

やること どの条文で扱われるか ポイント
保健・健康教育に関する記事の監修 教育に関する事務=17条で扱える可能性 17条3項で許可基準に縛られない
養護教諭向けの研修講師 教育に関する事務=17条 本務に資する面も書ける
看護師として医療機関で勤務 教育に関するとは言いにくい=38条 労働時間が本業と通算される
健診・予防接種の応援(看護師として) 38条 単発でも許可は必要
健康相談・保健指導の記事執筆 内容によるが17条で扱える可能性 保助看法42条の2の守秘に注意

線①:養護教諭は「教員」——17条が使える

教育公務員特例法2条2項は「教員」を列挙しており、そこに養護教諭と養護助教諭が明記されています。2条1項が公立学校の学長・校長・教員・部局長並びに教育委員会の専門的教育職員を「教育公務員」と定義しているので、養護教諭は教育公務員に当たります。

したがって17条1項の「教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで」従事できるという道が使えます。17条3項により、地公法38条2項の人事委員会が定める許可の基準によることを要しない点も同じです。

ここで重要なのは、17条の対象が「教育に関する」ものに限られることです。保健教育・健康教育に関する監修や研修講師は「教育に関する事務」として扱える余地がありますが、医療機関で看護師として勤務することを「教育に関する」と説明するのは難しいのが実際のところです。


線②:看護師として働く場合は38条

地方公務員法38条1項は「職員は、任命権者の許可を受けなければ……報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない」と定めています。看護師として医療機関や健診で働くなら、この許可が必要です。

養護教諭のうち、看護師免許を併せ持っている方は少なくありません。保助看法5条は看護師を「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義しており、免許があればこの業務を行えます。ただし免許があることと公務員として副業の許可が下りることは別問題です。

38条で扱われる場合、17条3項の緩和が働かないため、自治体の人事委員会規則が定める許可基準(従事時間・報酬の上限など)がそのまま適用されます。看護師として働く方向で考えるなら、まず基準を確認してください。


線③:守秘義務が二重になる

養護教諭には、守秘義務が2つの方向からかかります。

①地方公務員法34条1項。「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」。保健室で知る児童生徒の健康状態・家庭の事情・受診歴は、まさにこれに当たります。

②保健師助産師看護師法42条の2。「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする」。看護師として副業をする場合、副業先で知った患者の情報にもこの義務がかかります。

副業で健康や保健に関する記事を書くとき、保健室で見た事例をそのまま使わないのは当然として、特定につながる書き方(学校の規模・地域・学年と症状の組み合わせ)も避けてください。どちらの義務も退職後・免許を失った後も続く点は共通しています。


養護教諭に向く副業の形

形 条文 相性と注意
保健・health記事の監修 17条で扱える可能性 ◎ 労働時間の通算なし。免許の表示を正確に
保健教育の教材作成 17条 ◎ 授業用に作ったものの流用は避ける(著作権法15条)
研修・講演(保健分野) 17条 ○ 日程が先に決まるので承認を取りやすい
看護師としての単発勤務 38条 △ 労働時間が通算される。許可基準の確認が先
健診・予防接種の応援 38条 △ 単発でも許可は必要。契約の形を確認
学校近隣の医療機関での勤務 38条 🔴 児童生徒と接する可能性がある。避けるのが安全

もっとも組みやすいのは業務委託で受ける監修・執筆です。労働基準法38条1項の労働時間の通算がかからないため本業の勤務と合算されず、作業する時間帯も自分で決められます。

資格を「書く・監修する」側で使う道もあります。みんなの記事監修は、資格を持つ専門家として登録し、記事監修の依頼を受ける形のサービスで、登録時に本人確認と資格証の確認があります。監修料は報酬(雑所得または事業所得)になり、勤務時間として通算されないため、本業の勤務と重ならない形で受けられるのが特徴です。養護教諭の免許と看護師免許は別のものなので、自分が保有している資格を正確に登録してください。在職中の方は、報酬を受け取る以上、先に承認・許可の手続きを済ませてください。報酬や依頼の条件は変わることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。[PR]


「学校近隣で働かない」を自分のルールにする

養護教諭に固有の注意点として、副業先で自校の児童生徒や保護者と会う可能性があります。医療機関で看護師として働く場合、保健室で対応している児童が患者として来ることは十分に起こり得ます。

これは法律で禁じられているわけではありませんが、児童生徒との関係、保護者からの見え方、守秘義務の管理のすべてで難しさが生じます。申請書に「勤務校の学区外の施設に限る」と自分から書いておくと、承認する側の判断材料になり、実際の運用も安定します。


申請書の書き方|17条で出す場合

欄 書き方の例
従事する事業・事務の内容 保健・健康教育に関するWeb記事の監修(月2本程度)
契約の形態 業務委託(募集要項の記載どおりに)
従事する日・時間 週休日および勤務時間外に限る。月あたり合計◯時間以内
本務との関係 保健室で知り得た情報は使用しない。本校が特定される表示をしない。保健教育の知識の維持にも資する
資格の表示 「養護教諭」(看護師免許を保有する場合はその旨も正確に)
報酬 1件あたりの単価と月の見込み額

看護師として働く形で38条の許可を取る場合は、これに加えて「勤務校の学区外に限る」「夜勤は入れない」「翌日が勤務日である日は従事しない」といった制約を書いておくと、支障がないことの説明になります。


税金|監修料は源泉徴収される

雇用(看護師としての勤務)なら給与所得、業務委託の監修・執筆なら雑所得または事業所得です。監修料・原稿料は所得税法204条1項1号により源泉徴収されるのが通常なので、確定申告で精算すると還付になることもあります。

本業の年末調整では副業分は精算されないため、翌年の確定申告で合算します。副業の所得が年20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は必要です。


よくある質問

Q1. 養護教諭は教特法17条を使えますか?

使えます。教特法2条2項の「教員」に養護教諭・養護助教諭が明記されており、2条1項により教育公務員に当たります。

Q2. 看護師免許があれば、看護師の副業は自由にできますか?

免許があれば業として行えますが、公務員としては別に許可が必要です。看護師としての勤務は「教育に関する」とは言いにくいため、17条ではなく地公法38条1項の許可で扱われるのが基本です。

Q3. 38条で扱われると何が変わりますか?

教特法17条3項の「人事委員会が定める許可の基準によることを要しない」という緩和が働かないため、自治体の許可基準(従事時間・報酬額の上限など)がそのまま適用されます。先に基準を確認してください。

Q4. 保健室での経験を記事に書いてもいいですか?

職務上知り得た秘密は地公法34条1項で守秘義務の対象です。個別の事例は使わず、一般的な知識として書いてください。看護師として知った情報には保助看法42条の2もかかります。

Q5. 学校の近くの病院でアルバイトしたいのですが。

法律上の禁止はありませんが、自校の児童生徒や保護者と会う可能性があり、守秘義務の管理や関係性の面で難しさが生じます。学区外を選ぶのが安全です。

Q6. 無報酬の講演でも承認が要りますか?

38条は「報酬を得て」が要件なので無報酬なら対象外ですが、17条は「給与を受け、又は受けないで」と定めており、無報酬でも承認の対象になり得ます。所属に確認してください。

Q7. 養護助教諭でも同じですか?

教特法2条2項に養護助教諭も明記されているので、教育公務員として同じ扱いになります。

Q8. 私立学校の養護教諭でも同じですか?

私立は地方公務員ではないので38条・17条は適用されず、就業規則の副業規定に従います。保助看法42条の2の守秘義務は公立・私立を問わず適用されます。


まとめ|「教育に関するか」で条文が分かれる

養護教諭は教特法2条2項の「教員」に明記されているため教育公務員に当たり、保健教育に関する監修・研修・教材作成は17条の兼職承認で扱える可能性があります(17条3項により人事委員会の許可基準に縛られない)。一方、看護師として医療機関や健診で働く場合は「教育に関する」と言いにくいため、地公法38条1項の許可で扱われるのが基本で、この場合は自治体の許可基準がそのまま適用されます。守秘義務は地公法34条1項と保助看法42条の2の二重でかかり、どちらも退職後・免許を失った後も続きます。組みやすいのは業務委託の監修・執筆で、労働時間の通算がかからず時間帯も自分で決められます。


参考にしている主な一次情報:教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第2条・第17条/地方公務員法(昭和25年法律第261号)第34条・第38条/保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条・第42条の2/労働基準法(昭和22年法律第49号)第38条/所得税法(昭和40年法律第33号)第204条。条文はe-Gov法令検索で確認しています。

※情報は執筆時点のものです。承認・許可の運用と様式は自治体ごとに異なります。手続の前に所属の教育委員会・人事担当にご確認ください。

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